テクニカフクイ新社屋
第22回(2011年度) 北陸建築文化賞受賞〔作品〕《from福井支所》
【建 築 主】 ㈱テクニカフクイ
【設計・施工】 ㈱竹中工務店
<選評>
世界的な音響機器メーカーである(株)オーディオテクニカの開発・設計拠点として創業の地に新築された。西側に田が広がり、東側は山が迫る農村の風景の中に社屋はある。耐雪への配慮からRC造を採用し、要望された規模を風景の中になじませるために2階建てで計画された。そのため、外壁をコンクリート打ち放しとした約50mという大きな間口を西面に現している。2階部分を大きく持ち出し、中央の大きなカーテンウオールとで事務所としての良好な日射環境を実現するための閉鎖的なボリュームを消し、軽やかな外観を創りだしている。床を水盤として設けられたボイド空間としての中庭は、中庭を囲むカーテンウオールや階段のデザインと一体となって、環境工学的配慮だけでなく、執務空間に落ち着きと潤いを与えている。雪国である北陸の農村風景になじんだ新しい事務所ビルとして評価でき、雪国での中庭を受け入れた施主の姿勢にも賛辞を贈りたい。