北陸建築文化賞

北陸建築文化賞の受賞業績ギャラリー

第31回(2020年度) 北陸建築文化賞受賞〔作品〕《from新潟支所》

【設計・監理(統括)】株式会社スタジオ・クハラ・ヤギ
【 共同設計・監理 】株式会社上越翔建設設計
【 共同設計・監理 】株式会社アジュールデザイン
【設計・監理(構造)】株式会社MID研究所
【設計・監理(電気設備)】有限会社EOSplus
【設計・監理(機械設備)】アミージュ企画設計
【施工JV】猪又建設株式会社
【施工JV】株式会社カネタ建設
【施工JV】株式会社後藤組

<選評>
2016年12月の糸魚川市大火の復興事業として建設された市営の共同住宅である。敷地は日本海まで約80mの海岸より少し高い市街地北側にあり、南に緩やかに傾斜している。西を除く3方に道路が通る東西に長い敷地に、3階建の北棟と2階建の南棟が東西に長く建つ。防火対応のための不燃化に対して、設計者が構造面でも実績を持つ木の利用を推進し、外観にも地元産木材を使用することで、周辺の景観にも配慮した計画は評価できる。周辺の建物との違和感のない勾配屋根の採用や、素材の種類・色使い等の工夫によって、共同住宅に見られる外観の単調さを克服した明るい外観となっている。また、南北棟の間の棟間小路のスケール感はほど良く、落ち着いた空間を実現している。その中で、多様な素材を用いた外観において、自然素材と人工素材の接合部、構成方法の整理、雨仕舞などへのさらなる配慮があれば、より完成度が高まったと感じるのは欲張りであろうか。 (髙嶋 猛/高嶋建築研究所)