多年に亘る雁木通りの史的研究とその継承に向けた啓蒙活動
第29回(2018年度) 北陸建築文化賞受賞〔業績〕《from新潟支所》
【研究実施者・啓蒙活動の企画・運営の実担当者】菅原邦生
<選評>
雁木通りの形成と衰退に関する史的研究を30年間にわたり継続し、研究で得られた知見をもとに広く市民に普及・啓発を促した活動が評価された。雁木通りに関する一連の研究を基礎として、関わりの深い研究者や行政担当者を募り「雁木通り学術研究交流会」を設置、新潟県内において研究発表会や見学会などを開催し、雁木通りに関する歴史的・文化的価値についての地道な啓発活動は貴重である。一方で基礎研究のみならず、平成30年度の本学会大会における歴史意匠部門のPDの企画・運営を通じて、雪国の建築文化の継承と活用によるまちづくりの重要性を学会員に伝えるなど、文化遺産の継承活動に対し積極的に貢献した。加えて過去4回にわたり開催された「雁木通りの世界遺産登録に向けたシンポジウム」が、学術団体の活動から「フォーラム雁木 世界遺産登録を目指して」として、民間NPO法人の活動へと着実に継承されている点など地域の影響力の強さも高く評価された。