《富山》特集:2024年度日本建築学会北陸支部総会・支部大会(富山)
AH! vol.87 - 2024/12《from 富山支所》
大氏 正嗣/富山大学芸術文化学部 教授
1.日程と内容
2024年度日本建築学会北陸支部総会・大会は、2024年7月6日(土)と7日(日)の2日間、(一社)日本建築学会北陸支部の主催で富山支所が担当した。コロナ感染症の広がりにより202年度から縮小していた大会は、2023年度の石川支所開催において対面とオンラインのハイブリッドで全面開催に戻ったが、今回は対面開催のみとして実施した。内容は以下の通り。
《1日目》2024年7月6日(土) 会場:ウイングウイング高岡 503+504A研修室
13:30~14:20 通常総会
14:25~14:30 開会式
14:30~16:00 講演会 平成の災害復興と2024能登半島地震
(日本建築学会副会長 牧 紀男氏)
16:10~17:00 北陸建築文化賞表彰式・受賞者による発表
17:30~19:30 懇親会 会場:ダ・フレンズ(御旅屋通)
《2日目》2024年7月7日(日) 会場:富山大学高岡キャンパス
9:00~12:30 研究発表会
13:00~14:00 男女共同参画事業(富山)
14:10~15:10 学生による語り合いのシンポジオン
15:20~15:50 若手優秀プレゼンテーション賞表彰式、閉会式
この他に、執行役員会及び支部役員会が6日(土)11:30~12:40、事業・研究合同委員会、若手優秀プレゼンテーション賞評価委員会が7日(日)13:00~14:00に開催された。
2.総会
出席者は74名(参加者20名、委任状54名)で、1,055名の日本建築学会北陸支部会員の1/30の36名以上であり、総会成立を確認した。
次に、富山支所長(大氏正嗣(富山大))を司会、北陸支部長(土本俊和(信州大))を議長として総会が開催された。2023年度の事業、決算、会計監査の報告がなされた。続いて2024年度の事業計画案、収支予算案が議決された。
3.講演会
「平成の災害復興と2024能登半島地震」と題し、京都大学防災研究所 教授で日本建築学会副会長の牧 紀男氏の講演を実施した。その後、建築学会事務局長 小野寺篤氏より現在の学会の取組みに関する情報提供がなされた。
講演は、地震被害の状況について構造的見地のみならず幅広い視座での防災や復興に関する情報が説明され活発な質疑応答が行われた。参加者は65名(会場参加者:65名)であった。
4.北陸建築文化賞表彰式
北陸建築文化賞表彰式は、事業委員長で昨年度までの建築審査部会のメンバーでまる(横山天心(富山大))による審査報告の後、支部長より表彰状の授与が行われた。その後、受賞した4件の代表者からそれぞれご挨拶をいただき、スライドを用いて業績や作品の説明をしていただいた。参加者は40名(会場参加者:40名)であった。
5.懇親会
懇親会は総会の会場であるウイングウイング高岡から徒歩約6分の、御旅屋通に面したダ・フレンズを会場として実施した。今回も学生の交流を主眼におき、学生同士あるいは学生教員や一般の方が夢を語り合える場として懇親会を位置付けた。狭い会場ではあったが、学生と一般を合わせて44名の方々にご参加いただけた。最初一室で乾杯を行った後、学生たちはもう一つの部屋に移動して歓談を実施した。翌日の研究発表会前ではあるが、遠方から数多くの学生を参加させていただいた先生方もおり、大変活気のある楽しい時を過ごすことができたと感じられ、大変嬉しく思う。
6.研究発表会
昨年と同様にウェブ投稿が行われ、昨年よりやや投稿数が減少し118編の投稿があった。材料・構造系:30編、環境系:14編、計画系:74編(うち、奨励研究3編)の発表が行われ、多数の会場参加者を交え活発に議論が交わされた。今回はオンライン開催を無しとしたが、それでも数多くの発表者が参加いただけたことは大変喜ばしい。進行においても大きなトラブルもなく、コロナ禍前と変わらない研究発表会を行うことができた。
7.男女共同参画事業
2024年度の男女共同参画事業(富山)として、昨年度と同様に「木の文化を支える女性専門職としての歩み」をテーマに、生産者、活用者、保全者の立場から木に関する仕事に携わるパネリスト2名によるパネルディスカッションを開催した。司会は上原雄史(富山大)。パネリストは、深山知子(深山知子一級建築士事務所・レトノ:代表)、岸田毅(岸田木材:代表取締役)。 まず各パネリストから自らの取組みに関するご講演を頂き、それに続き参加者を交えて活発なディスカッションが行われた。参加者は17名であった。
8.学生による語り合いのシンポジオン
「木の文化への気付き」をテーマに、4名の学生が自分たちの活動や考えていることについてプレゼンテーションを行った。男女共同参画事業のパネリスト2名もオブザーバーとして参加して頂き、学生の活動や取り組みについて質問やアドバイスをもらった。司会は上原雄史(富山大)。
木に対して現在取り組んでいること、木に対する考え方、木とのかかわり方など、様々な観点から、木造の普及、有効活用、問題点の解決策などをプレゼンテーションし、パネリストからは規模しい言葉を含め今後の活動についてのヒントやアドバイスをいただいた。参加者は34名であった。
9.若手優秀プレゼンテーション賞表彰式、閉会式
研究発表会と同時進行して若手優秀プレゼンテーション賞対象者の発表の審査が行われた。当日の事業・研究合同委員会において採点集計結果に基づき選考を行い、材料・構造系、環境系、計画系の合計で14名が選ばれた。表彰式では支部長から受賞者一人ずつに表彰状が授与された。閉会式では支部長の閉会宣言があり、無事に閉会した。参加者は75名であった。
10.おわりに
今回の支部大会の開催にあたり、日本建築学会北陸支部の皆様から多大のご協力をいただき、久しぶりの全面的な対面開催を無事に遂行することができました。特に、富山支所の皆さまには貴重な時間を使ってご尽力いただきました。富山支所において全体計画を立案し、各担当責任者のもと運営しました。特に富山県庁やその他大学以外の関係者の皆様のお力添えがなければ運営はできませんでした。この場を借りて御礼申し上げます。
総括 大氏正嗣
会計 大氏正嗣
プログラム 上原雄史、井上祥子
会場準備 薮谷祐介、横山天心、井上祥子
総会 大氏正嗣
講演会 大氏正嗣
北陸建築文化賞表彰式 横山天心
懇親会 籔谷祐介
研究発表会 上原雄史、井上咲子
男女共同参画事業 上原雄史
学生による語り合いのシンポジオン 上原雄史