Webマガジン■AH!■

北陸5支所(新潟、長野、富山、石川、福井)の建築・まちづくり等に関する話題をお届け

AH! vol.60 - 2017/10/06《from 長野支所》

西川嘉雄/長野工業高等専門学校環境都市工学科 教授

1.準備
 2016年9月に開催された研究委員会において大会の内容、研究報告集の募集要項などを決定した。研究発表会のトピックステーマを「建築による地域貢献」とし、研究発表会における若手優秀プレゼンテーション賞対象者をその日に決定することが確認された。 その後、信州大学及び長野高専の教員を中心に実行委員会を組織し、事前準備、当日運営に関する詳細を決定した。

2.総会
 出席者は75名(参加者26名、委任状49名)で、1,037名の北陸支部建築学会会員の1/30の35名以上であり総会成立を確認した。次に、支部長を議長、長野支所事務局(高木)を司会として総会が開催された。2016年度の事業、決算、会計監査の報告がなされた。続いて2017年度の事業計画案、収支予算案が議決された。


写真1 総会:白山支部長挨拶

3.基調講演会
 基調講演会として、「民家再生と通じての地域貢献」をテーマに、㈱降幡建築設計事務所の降幡廣信先生にご講演いただいた。民家再生への取り組みについて、関野克先生からの激励のお言葉や、村松貞次郎先生からの教訓などを交えながらお話になられた。事例紹介として、「松本 草間邸」「松本 中町」「関川 佐藤医院」「広島 宮島の町並」「大分県 臼杵市」の取り組みについて説明いただいた。参加者は、北陸支部大会参加者に加え、信州大学建築学科の学部生・大学院生も加えホールは満席の状態であった。講演後、活発な質疑応答がなされた。


写真2 基調講演会(降幡廣信先生)

写真3 北陸建築文化賞表彰式

写真4 懇親会:乾杯

5.研究発表会
 研究報告集はCD-Rとし、投稿はPDFによる電子投稿によるもので178件であった。材料・構造系:27件(うち、若手14件)2教室、環境系:33件(うち、若手27件)2教室、計画系:118件(うち、若手27件、奨励研究1件)4教室で実施した。

6.男女共同参画のシンポジウム
2017年度建築学会北陸支部大会で男女共同参画シンポジウム「建築設計VS人生設計~キャリアってなんでしょう~」が開催された。 建築系の様々なジャンルで活躍している方々をお呼びし、建築の学びから人生設計まで、学び方、働き方、生き方などを含めた多彩なテーマでディスカッションを行った。登壇者は加茂紀和子氏(みかんぐみ 名古屋工業大学教授(CA)、小野田環(久米設計建築設計部主管)、今城絵美子(法務省、信大OB)で、学生質問者を事前に募った他、会場からの質問にも活発な議論がなされた。学生、教職員含め50名程度であった。

7.学生による語り合いのシンポジオン
 シンポジオンでは、学生諸君の精力的な活動について話題提供の場を設け、語り合いと自由討議により参加者全員で交流することを目的としている。今回のシンポジオンは2部構成とし、前半は話題提供として3チーム(2大学)の学生たちによる活動プレゼンテーション、後半は会場全体での自由な語り合いと交流がなされた。プレゼンテーションはまず信州大学工学部建築学科2年生が海外での建築研修について発表した。次に同大学の建築サークルKNOTがこれまでの活動を報告した。最後に福井大学の学生が福祉活動の取り組みに関して報告した。後半は学生、教員が20名以上参加し、積極的に意見交換を行った。

8.若手プレゼンテーション賞表彰式・閉会式
 若手優秀プレゼンテーション賞対象者の発表の採点集計を研究会と同時進行で実施し、当日の事業・研究合同委員会において選考を行い構造・材料系3名、環境系6名、計画系6名が選ばれた。閉会式では、まず、白山支所長から若手プレゼンテーション賞受賞者への表彰が行われ、引き続き土本支所長、白山支部長のあいさつにより閉会した。


写真5 若手プレゼンテーション賞表彰式

9.併設行事
 7月8日(土)、9日(日)の両日、2016年度北陸建築文化賞受賞作品展示、2016年度支部共通事業設計競技優秀作品展示、北陸支部大学高専卒業設計優秀作品展示が開催された。

10. 実行委員会
 長野支所役員会において全体計画を立案し、各担当責任者のもと運営した。
  総括:土本俊和
  会計:松田昌洋
  プログラム:西川嘉雄、岩井一博
  作品展示:梅干野成央、佐倉弘祐
  会場設営:高村秀紀、中谷岳史
  総会:梅干野成央
  講演会:土本俊和
  北陸建築文化賞表彰式:羽藤広輔
  懇親会:柳瀬亮太、李時桓
  研究発表会:岩井一博
  男女共同参画のシンポジウム:寺内美紀子
  学生の語り合いのシンポジオン:遠藤洋平

11. おわりに
 今回大会の開催にあたり、日本建築学会北陸支部の皆様から多大なご協力を頂きました。特に、長野支所役員の皆さまには貴重な時間を使ってご尽力いただきました。この場を借りて厚く御礼を申し上げます。