《福井:トピック/建築》BOHOL島 日本語学校建設プロジェクト
AH! vol.72 - 2021/1/6《from 福井支所》
五十嵐 啓/福井工業大学工学部建築土木工学科 准教授
□活動概要
五十嵐研究室と清水研究室では、フィリピン・ボホール島に建設が予定されている日本語学校校舎の基本設計を行ってきました。本プロジェクトは2019年末からスタートし、2020年1月に2年生と3年生の11名が4グループを組んで、施主プレゼン(写真1)に参加、ここで選ばれた学生ら5名が施主と打合せを重ねながら1ヶ月で設計を一から練り直すというハードスケジュールを経て、2月中旬に図面と模型、材料サンプルを携え現地へ赴きました。今回はその工程をご紹介します。
□工程
2020/02/12 16:00 福井工業大学出発 堺市のホテルで前泊
2020/02/13 9:55 関西国際空港発 マニラ国際空港(Ninoy Aquino Intl APT)へ
14:40 マニラ国際空港発 16:00 ボホール島TAGBILARAN空港着
2020/02/14 ボホール島内の建築物見学研修
(Baclayon Church,クライド先生自宅,The Bohol Provincial Capitol Building, St joseph cathedoral, National Museum Tagbilaran, Carlos P. Garcia Heritage Museum, Church of Our Lady of the Assumption (Dauis Church))
建設予定敷地見学
2020/02/15 ボホール島州立大学リガン教授、日本語学校卒業生との打合せ
2020/02/16 ボホール島州立大学にて日本語学校入学式出席・学長や入学生との懇談
2020/02/17 ボホール島内観光
(チョコレートヒルズ、フィリッピン・ターシャー自然保護区、ビーチ)
2020/02/18 帰国(25:00福井工業大学着)
□ボホール島内建築物見学(写真2)(写真3)
日時:2020/02/14
ボホール島での1日目はフィリピンでの建築物の特徴を知るために、歴史ある教会や近代的な公共施設、建築資材を扱う大型のホームセンターなどを回りました。サンゴ礁に囲まれた島であり石灰岩の組積造の教会は2013年の地震で大変な被害を受けましたが、現在はほぼ修復も終わり美しい天井画やステンドグラスを堪能できました。
□設計打合せ
日時:2020/02/15 場所:建設予定地(写真4)(写真5)
福井工業大学側で準備した設計図、模型、材料サンプルをもとに、日本語学校校舎の設計意図や日本人の語学研修生にも快適な空間となるように、前日に建物を見学し感じたことなどをボホール島州立大学リガン教授に説明させていただいた。他に、建物位置を最終決定するために隣地状況と計画建物の関係などを施主と共に確認しました。辛抱強く学生の英語に付き合っていただいたリガン教授に感謝です。
□入学式参列
日時:2020/02/16 場所:ボホール島州立大学
実施内容:日本語学校2期生の入学式典に全員で出席、ボホール島州立大学学長の祝辞や新入学生代表の意気込み等をお聞きしました。その後は学長室で学長先生、副学長先生と1時間程度ハンバーグを食べながら懇談、日本語学校の2期生たちともさらに1時間程度懇談を行い、お互い決して得意ではない語学で、連絡先交換など活発に交流を行っていた。
□総括
施主側のスタッフの方々のサポートのおかげで大変充実した研修及び打合せを行うことができました。実施設計・現場監理を担当されるリガン先生とも密なコミュニケーションをとることができ、建物の完成が大変楽しみです。(現在はコロナ感染拡大の影響で、計画は着工の手前で止まっております。)一方で学生たちは自分たちの語学力のなさを痛感しつつも、フィリピンの方々との会話に積極的に挑戦し、合わせてボホール島の歴史、文化、自然、食べ物などを満喫したようでした。
文責:五十嵐研究室