《富山》特集:2019年度日本建築学会北陸支部総会・大会in富山■男女共同参画事業(富山)報告
AH! vol.68 - 2019/9/13《from 富山支所》
大氏正嗣/富山大学 芸術文化学部 教授
1. 概要
日本建築学会北陸支部では、例年「学生による語り合いのシンポジオン」を開催している。一方で、建築を学ぶ女子学生の数は年々増加しており、男性中心だった業界の構造は大きく変化しつつある。そこで、今回はシンポジオンに替わり、男女共同参画事業として「学生と語る - 女性として働く、女性と働く、建築設計」というテーマを掲げ、女性建築家パネリストを中心に建築設計のリアルな状況について話を聞くと共に、学生たちの素直な疑問をぶつける場を開催しました。
●日 時:2019年7月7日(日) 13:45~14:50
●場 所:富山大学高岡キャンパスB-212教室
●参加者:44名(パネリスト3名、教員5名、学生36名)
●流 れ:
13:45-13:50 趣旨説明(司会 富山大学 大氏正嗣)
13:50-14:05 松森織江氏(東畑建築事務所 設計部長)講演
14:05-14:20 道古麻紀子氏(DOKO一級建築士事務所)講演
14:20-14:45 パネルディスカッション
14:45-14:50 まとめ(富山大学 上原雄史)
2. パネルディスカッションのポイント
・出産が働き方を考える上でのポイントとなった(松森氏)
・女性だからという考えを持ったことがほとんどない(道古氏)
・欧州では女性を積極的に活用できるかどうかが問われることもある(上原教授)
・チームで進めるプロジェクトでは、子供を育てながらでも担える役割がある(松森氏)
・女性建築家が少ない状況では、むしろメリットがあった(道古氏)
・男女差より、個人のパーソナリティの差の方が大きい(大氏)
・設計の楽しみをもっと噛みしめてほしい(上原教授)
3. おわりに
本年度は、昨年度のシンポジオンとは大きく変わる内容にも関わらず、総勢44名の参加をいただきました。また、パネルディスカッションでは学生たちからの積極的かつ率直な質問が続き、パネリストが答えに窮する場面も見られましたが、建築設計という舞台で実際に働かれている女性の言葉は強く響いたのではないかと感じました。
来年度は、新潟支所での開催を予定しています。多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。
謝辞
本事業の開催に際しましては、北陸支部長である金沢工業大学永野教授より貴重なご意見をいただくと共に、富山大学の堀江教授、上原教授、萩野准教授、横山准教授、籔谷講師の協力をいただきました。書面をお借りして御礼申し上げます。