Webマガジン■AH!■

北陸5支所(新潟、長野、富山、石川、福井)の建築・まちづくり等に関する話題をお届け

AH! vol.68 - 2019/9/13《from 富山支所》

秋月有紀/ 富山大学人間発達科学部人間環境システム学科 教授

2019年度日本建築学会北陸支部総会・大会は、2019年7月6日(土)~7日(日)の2日間にわたり、富山支所が担当して開催した。内容は以下の通りである。

1. プログラム
一日目:2019年7月6日(土)
 会場 ウイング・ウイング高岡・研修室502(富山県高岡市末広町1番8号)
  13:30~14:10 総会
  14:30~14:35 開会式 支部長挨拶
  14:35~16:15 講演会「建築ストックの有効活用における専門家の役割」
          講演者 松村秀一氏(東京大学大学院工学部系研究科 特任教授) 
          司 会 秋月有紀(富山大学)
  16:20~16:45 北陸建築文化賞表彰式
  17:30~19:30 懇親会 会場/Ventuno alla taiki(富山県高岡市本町3-9塩谷ビル1F)        
二日目:2019年7月7日(日)
 会場 富山大学高岡キャンパス(富山県高岡市二上町180番地)
   9:00~12:15 研究発表会
  13:45~14:45 男女共同参画事業(富山)
  15:00~15:15 若手優秀プレゼンテーション賞・閉会式

2.  総会
 出席者は55名(参加者23名、委任状32名)で、1,026名の北陸支部建築学会会員の1/30である35名以上であり、総会成立を確認した。次に、支部長を議長、富山支所事務局(秋月)を司会として総会が開催された。2018年度の事業、決算、会計監査の報告がなされ、続いて2019年度の事業計画案、収支予算案が議決された。

3.  講演会
 基調講演会として、「建築ストックの有効活用における専門家の役割」をテーマに、松村秀一先生(東京大学大学院工学系研究科・特任教授)にご講演いただいた。「建築の民主化」というキーワードを元に、1970年代の住宅不足で工業化・標準化・部品化が推進された「第一世代の民主化」、1980年代のバブル経済時の多品種生産・受注生産方式が導入された「第二世代の民主化」、2000年以降で空き家率が13%を越え、新しいまちづくり視点やDIY普及による専門家以外の関わりなどによる建築・住宅ストックの活用を行う「第三世代の民主化」について、3331 Arts Chiyodaや徳島県神山町などの多くの事例と共に分かりやすくご説明頂いた。講演会場には、支部大会参加者に加え、富山大学芸術文化学部の学生や一般市民の方々など、75名もの人が聴講し、活発な質疑応答がなされた。


写真1 総会 永野支部長

写真2 講演会 松村秀一先生

4.  北陸建築文化賞表彰式
 講演会の余韻を残しながら、北陸建築文化賞表彰式が行われた。建築活動審査部会長による審査報告の後、司会が2018年度業績賞2件・作品賞2件について紹介し、支部長より表彰状と賞牌の授与が行われた。その後、受賞した4件の代表者から、パワーポイントによる業績および作品の説明が行われた。参加者は約40名であった。


写真3 北陸建築文化賞表彰式

5.  懇親会
 前回支部大会が富山県高岡市で開催された時は、同じ建物内の会場で懇親会を開催したが、今回は山町筋近くのイタリア料理店で開催された。万葉線沿線でもあったので、初めての万葉線乗車を楽しむ参加者もいた。高岡で評判のお店ということで、基調講演講師の松村先生や北陸建築文化賞受賞者を含めた40名が懇親会に参加し、美酒美食と共に懇親会会場は大いに盛り上がった。なお、次期開催校からの挨拶も懇親会で行われた。

6.  研究発表会
 研究報告集のCD-ROM化に伴いPDFによる電子投稿のみの提出とし、118件の投稿があった。2講義室で材料・構造系:25件(うち、若手15件)、2講義室で環境系:23件(うち、若手18件)、4講義室で計画系:70件(うち、若手22件、奨励研究2件)の発表が行われ、総計108名の参加者によって活発に議論が交わされた。

7.  男女共同参画事業(富山)
 「学生と語る-女性として働く、女性と働く、建築設計」というテーマで、パネリストとして(株)東畑建築事務所大阪オフィス設計部長の松森織江氏とDOKO一級建築士事務所代表の道古麻紀子氏を迎えて、学生たちを交えて議論を行った。参加者は44名であった。


写真4 男女共同参画事業(富山)

8.   若手優秀プレゼンテーション賞・閉会式
 研究発表会と同時進行して若手優秀プレゼンテーション賞対象者の発表の審査が行わた。当日の事業・研究合同委員会において採点集計結果に基づき選考を行い、材料・構造系から5名、環境系から3名、計画系から6名が選ばれた。表彰式では支部長から受賞者一人ずつに表彰状が授与された。閉会式では支部長の閉会宣言があり、無事に閉会した。


写真5 若手プレゼンテーション賞 授賞式

9.  付随行事
 支部大会一日目の12:00~13:20は役員会が、二日目の12:30~14:00は事業・研究合同委員会、13:00~15:00は建築計画専門部会が行われた。
また、支部大会の開催期間中、富山大学高岡キャンパスツママホール2階において、2018年度北陸建築文化賞作品、2018年度支部共通事業設計競技優秀作品および北陸支部大学高専卒業設計作品の作品展示が行われた。

10.おわりに
 今回の支部大会開催にあたり、日本建築学会北陸支部の皆様から多大なご協力を頂きました。特に富山支所会員の皆様には休日の貴重な時間を使って本支部大会にご尽力頂きました。この場を借りて厚く御礼を申し上げます。
 なお、富山支所役員会において全体計画を立案し、各担当責任者のもと運営致しました。

【    総 括    】 大氏正嗣
【    会 計    】 土肥義一・堀江秀夫
【   人員配置    】 堀江秀夫
【   プログラム   】 藪谷祐介・生瀬吉美
【   会場設営    】 萩野紀一郎・横山天心
【   作品展示    】 横山天心
【    総 会    】 大氏正嗣・秋月有紀
【   講 演 会   】 萩野紀一郎・秋月有紀
【北陸建築文化賞表彰式】秋月有紀・藪谷祐介
【   懇 親 会   】 森本英裕・堀江秀夫・萩野紀一郎
【   研究発表会   】 生瀬吉美・藪谷祐介
【 男女共同参画事業 】大氏正嗣