《石川》特集:2018年度日本建築学会北陸支部総会・大会in石川■学生による語り合いのシンポジオン報告
AH! vol.64 - 2018/10/11《from 石川支所》
粟原 知子/福井大学国際地域学部 講師
1.概要
日本建築学会北陸支部の支部大会では、「学生の日常活動を大切に」をモットーに、まちづくり、住まいづくり、ボランティア活動など、主体的かつ精神的に活動する学生の日常活動の発表の場として「シンポジオン」と称した話題提供の場を設け、語り合いと自由討議による交流会を毎年開催しています。今年度は、北陸支部の各大学から5チームのエントリーがあり、立場や地域の垣根をこえて活発に討議が行われました。
■日時:2018年7月8日(日)13:30~14:30
■場所:金沢工業大学扇が丘キャンパス23号館105号室
■参加者:35名(学生24名、教員・一般11名)
■タイムテーブル
13:30-13:40 開会挨拶、趣旨説明
13:40-14:05 A・Bグループに分かれて話題提供(1チーム7分程度)
14:05-14:25 自由討議による全体交流
14:25-14:30 各チームまとめ、全体のまとめ、閉会挨拶
■話題提供のテーマとチーム代表者の所属
1.「御園小学校前の公園づくりについて」:高嶋宏平(福井大学工学部建築建設工学科)
2.「巨大かまくら制作について」:橋本麻友子(富山大学芸術学部芸術文化学科建築デザインコース)
3.「地域の食の魅力を発信するマルシェイベント」:松井渉(金沢工業大学Toiroプロジェクト 環境・建築学部建築デザイン学科4年)
4.「子どもがもっと自由に遊べる街へ Fukui Play-studio遊房のプレーパーク活動」:横山和哉(福井大学工学部機械システム工学科3年)
5.「アパートリノベーションプロジェクト~不動産会社と協同して~」:富岡晃大(金沢工業大学Toiroプロジェクト 環境・建築学部建築デザイン学科4年)
2.話題提供
話題提供の時間では、各チームが7分程度のプレゼンテーションで活動の概要を紹介しました。今年度は、遊具や巨大かまくら等の制作活動や、地域でのマルシェイベントやアパートリノベーションを企画・運営・デザインから施工までを一貫したプロジェク活動、さらに、小学生や先生を交えたワークショップによる公園づくりの活動や、地域住民と協働で子どもの遊び場を運営するプレーパーク事業などの子どもの遊び場づくりに関する活動まで、バラエティに富んだ話題提供となりました(写真1、2)。
3.自由討議の様子と感想(写真3~5)
学生の自主的な団体である福井大学の「遊房」チームは、10数年前から活動を続けており、先輩方から心意気を受け継いで活動している様が実に力強く感じられました。研究室がかかげるテーマを主体的に遂行しているチームでは、フィールドワーク研究を楽しんでいるようでした。とりわけ、「かまくら制作」チームは、力学的な問題への対処とともに「かまくら」のインテリアにもおしゃれを楽しんでいるかのように感じられました。
自由討議では、各自の活動の紹介が主であったものの、そこには学生のひたむきな姿勢がいかんなく輝いていて、学生間はもちろんのこと学生と教員及び一般参加の皆さまとの語り合いが知的交流を楽しいものにしていました。
4.おわりに
今年度は、総勢35名の皆様にご参加いただきました。資料等を準備してくださった学生の皆さん、教員及び一般参加の皆さまに書面を借りて深く感謝申し上げます。次年度は、富山支所での開催を予定しておりますので、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。
謝辞
本会の開催に際しましては、金沢工業大学の下川雄一教授、円井基史准教授、須田達准教授の協力を頂きました。書面を借りて御礼申し上げます。