《石川》特集:2018年度日本建築学会北陸支部総会・大会in石川■講演会報告
AH! vol.64 - 2018/10/11《from 石川支所》
円井 基史/金沢工業大学建築学部建築学科 准教授
2018年度支部大会では、「信頼に応える建築界を目指して」という題目で、日本建築学会会長の古谷誠章先生(早稲田大学教授)による基調講演会が行われた。以下にその概要を報告する。
日時:2018年7月7日(土)14:30~15:50
場所:金沢工業大学扇が丘キャンパス23号館218室
「信頼に応える建築界を目指して」というテーマで、学会の主な取組みが以下のように紹介された。
○建築界が一丸となり、地域と世界の視点を併せもつ信頼される日本の建築学の再興へ
○2つの重点タスクフォース
1)建築における異分野間のさらなる交流・連携・協働を推進するタスクフォース
2)社会の信頼に応える建築の設計者・施工者の選定方式を検討するタスクフォース
○「建築雑誌」による情報発信(編集委員長に藤村龍至氏)
○(6 月 18 日発生の大阪府北部地震を受けて)危ないコンクリートブロック塀の見分け方について情報発信など。
講演会の後半は、早稲田大学古谷研究室の取組みとして「学生と共に地域に学び、地域を育む教育」が紹介された。主な内容を以下にまとめる。
1)新潟県上越市での取組み。早稲田大、法政大、日本女子大、横浜国大の協働。学生らが雪囲い・ルーバーをセルフビルド(メンテナンスも学生が行う)。 民具や農具の展示室と、それらの動きをみせるパラパラ漫画の作製。
2)震災復興の取組み。宮城県東松島市では、森の図書館、展望デッキに関わる。
3)島根県雲南市での取組み。斐伊川沿いにて、桜祭りの2日間だけの商店街。100mのテーブルを作製。年々、出店商店が増加し、子供や高校生も出店。
4)千葉県鋸南町での取組み。早稲田大、法政大、日本女子大、横浜国大、工学院大などと協働。小学校の改修プロポーザルで、小学校を産直市場、販売店、飲食店、簡易宿泊施設などへ。
5)北海道沼田町での取組み。診療所、デイサービス、保健室など合築。
6)福島県喜多方市での取組み。
7)香川県観音寺市の保育園での取組み。
8)高知県宿毛町での改修の取組み。
9)岐阜県美濃加茂市でのカフェの取組み。
上記のように、日本建築学会での取組みに加え、古谷研究室での学生と地域の関わり、教育の話が展開された。講演会は、社会人だけでなく学生も数多く参加し、盛況のうちに終わった。