《福井》遊休不動産の活用と都市への影響に関する研究
AH! vol.63 - 2018/07/10《from 福井支所》
下川 勇/福井工業大学工学部建築土木工学科 教授
□研究目的
空き施設や空き家・空地等の遊休不動産の活用が都市の課題になっています。都市を「人が住む場所」として捉えた場合、遊休不動産の存在は都市を「人が住み難い場所」へと変化させてしまいます。この研究は、IUJターンが代表する移住施策に関連するとともに、自治体内での住まいの移動(近距離移住)を効果的に達成する方法を検証する目的で行われています。
□越前市若竹町を生き生きとしたエリアにする取り組み machi YOKU
越前市若竹町は昭和中期まで打ち刃物の職人町でした。現在は空き家や空地も目立ち、景観も劣化しています。行政区として一般居住エリアに定められる若竹町を「住める場所」として再生するために、「現代の職人町」をテーマとした遊休不動産の活用計画と修景計画を作成し、地元住民、行政との協働でハード整備へと進めていく予定です(写真1)。
machi YOKUホームページ: https://www.machiyoku.info
□公衆浴場の再生・活用
machi YOKU活動のスタートとして若竹町の「城勝湯」を下川研究室と地元企業との協働で再生しました(H30.5.15)。この公衆浴場は昭和37年に開業し、平成29年9月まで若竹町及びその周辺エリアの人々の疲れを癒す場所、そしてコミュニティー拠点でした。廃業後、散り散りになった人々が再び戻り、現在もコミュニティー維持の役割を担っています。半公共施設として施設の高度利用及び地域の予防医療を目的として、お湯をはらない時間帯にWiiを使った健康スポーツ会や、界隈を散策するフォトウォークを学生たちが催しています(写真2・3・4)。