長岡の住宅
第23回(2012年度) 北陸建築文化賞受賞〔作品〕《from新潟支所》
【建築主】 小林秀年
【設計者】 石井大五+フューチャースケープ建築設計事務所
<選評>
「長岡の住宅」は一階の居住空間に、子世帯のLDKと一階に光を導くためのロフトを積層させた特異な構成を有する住宅である。ロフトと一階部分は吹抜けや、水平面の開口部により空間的に連続しており、ロフトの水平連窓から入り込む光が、一階に降り注ぐことで、積雪で一階からの採光が困難な状況下においても、快適な居住環境を保持できるようになっている。また、環境設備計画の特徴としては、ロフトの水平連窓部に三重の空気層を設け、開口部の熱損失を抑えていること、さらに、ロスナイを利用した換気システムと床下全体をチャンバーとして利用した全館空調システムを併用することで、冬季は家のどこにいても快適な室温を保持し、熱環境的バリアフリーを実現していることが挙げられる。以上より、特殊解ではあるかもしれないが、「長岡の住宅」は薄暗く寒い北陸の冬季に対応した新しい住宅の在り方の一端を提示しおり、授賞作として相応しいと判断した。