Dear house
第33回(2022年度) 北陸建築文化賞受賞〔作品〕《from石川支所》
【 設計者 】阿曽芙実建築設計事務所 阿曽芙実
<選評>
金沢市郊外の角地に建つ住宅兼アトリエである。
四角い敷地の対角線方向に2層のボリュームが配置されていることが特徴的である。
また軒下広場と呼ばれる住宅とアトリエの間に挟まれた屋外空間のスケール感が絶妙である。近隣環境と連続する開放感をLDKにもたらしつつ、オープンになり過ぎないプライベートさを同時に実現している。
2階は1階に比して周辺環境をあまり感じさせない大きな倉庫のようなワンルーム空間となっている。然し乍ら2階のみで完結せずにアトリエと吹き抜けで繋がっていたり、1階の軒下広場の断面的な盛り上がりが2階に丘のようなパーティションを作り出していたり、1階とのつながりを感じさせる工夫が設けられている。周辺環境への敬意を払いつつ、空間的にも家族の中にもつながりをつくり出す配置やプランニング、断面立面のコントロール等々、様々な建築設計の工夫により、素晴らしい住宅となっていることを評価する。(清水俊貴/福井工業大学)