北陸建築文化賞

北陸建築文化賞の受賞業績ギャラリー

第28回(2017年度) 北陸建築文化賞受賞〔作品〕《from新潟支所》

【   建  築  主   】㈱ 北信越地域資源研究所 代表取締役 平原 匡
【企画デザイン・設計監理統括】ナカノデザイン一級建築士事務所 中野一敏
【  一部 の 店舗設計  】黒川哲志建築設計事務所 代表 黒川哲志
【   構 造 設 計   】㈱ ロウファットストラクチャ 代表 横山太郎

<選評>
新潟県上越市の上越妙高駅前に建つFURUSATTOは、コンテナを利用した複合商業施設であり、当初は1個のみであったというコンテナが徐々に増殖しながら、更地の残る駅前空間に賑いを創出している。コンテナ採用の経緯としては、小規模事業者の出店リスクの低減や再利用への配慮が挙げられるが、人を惹きつけるシンボル性の獲得も意図されたという。建物は、テナント等が入るコンテナ群を円弧状平面の開放的な雁木空間がつなぐ構成となっており、コンテナ同士の間のスペースも利用者の活動の場として期待されている。地域文化に由来する雁木空間は、様々なイベント等に利用され、コミュニティの形成を支える一方、手近な材料を用いた室礼によって季節ごとに異なる姿を見せ、施設全体に多様性と親近性を与えている。地方都市の経済状況の中、民間の地域に対する思いが、大資本に頼ることなく、等身大の地域拠点を実現した好例と言えるのではないだろうか。