養命酒健康の森記念館
第17回(2006年度) 北陸建築文化賞受賞〔作品〕《from 長野支所》
【設計】㈱竹中工務店 東京本店 関谷和則
<選評>
昭和初期に建造された酒蔵を移築して、生薬を製造する会社の活動を展示するための記念館として再生させた計画である。養命酒駒ヶ根工業の敷地に整備された散策路と薬草園の拠点となる場として、大きな庇を持った静かな半外部のオープンテラスが、蔵の生薬の展示スペースと周辺の自然とをなだらかにつないでいる。森をイメージさせるたくさんの木を使った蔵では、生薬の講座が定期的に開講されたり地域の音楽家によるコンサートが開かれたりするなど活発に利用されており、地域社会へ大きな貢献をする施設となっている。また、オープンテラスは子供達の遊び場となっている森の散策路へとつながっており、蔵の再生とランドスケープとが森をキーワードに極めて秀逸な空間を創り上げている。