Webマガジン■AH!■

北陸5支所(新潟、長野、富山、石川、福井)の建築・まちづくり等に関する話題をお届け

AH! vol.49 - 2015/01《from 富山支所》

秋月有紀/富山大学・北陸支部富山支所

身近な建物や町並みに興味を持ちながら、都市の安全・防災・防犯を考えることを目的に、小学生3年生~6年生を対象とした町並み探検のワークショップ「第10回集合!みんなはたてもの探偵団」を、去る2014年10月11日(土)に富山市で実施した。参加した小学生は3年生7名・4年生1名・6年生2名と、建築学会関係者11名、富山大学学生4名の合計25名であり、秋晴れの気持ちの良い天候の中、街並み探検を行った。

会場である富山大学人間発達科学部第2棟211教室に9:30に集合し、まず富山市の町並みや防災対策などワークショップの全体説明、およびハザードマップの読み方について座学を行い(写真1)、その後班ごとに、探検を行う地域の特徴や予想されるハザード、探索ルート(見学やヒアリングする施設や建物)などの詳細説明を行った。そして10時過ぎには大人も子供も安全ベストを着用し、デジタルカメラ・筆記用具・弁当などを持参して富山市内の4箇所の探検ルートに向けて出発した。


写真1 班に分かれて、ワークショップの全体説明


4つの探検ルートは、①富山市消防局~五幅公園~富山大学(写真2)、②岩瀬(写真3)、③富山県庁~富山市役所~中心市街地(写真4)、④環水公園~JR富山駅北再開発地区(写真5)である。各班とも、安全確保と写真撮影補助のため、建築学会員や富山大学学生が付き添った。ヒアリング先では、地域の安全・防災・防犯や町並み景観にどのように取り組んでいるか、子ども達が直接関係者に質問し、消防車試乗や消防服着用など様々な体験を行った。

13:30頃に全員が無事に会場に戻り、約2.5時間かけて、探検ルートで収集した写真やヒアリングメモを駆使して、班毎の防災探検マップ(A0版)計4作品を完成させた。それぞれが工夫を凝らした興味深い作品に仕上がっており、迎えに来られた親御さんたちの前で、楽しくマップの発表会を行った。最後に記念品として、富山大学芸術文化学部渡辺雅志氏の作品(矢印の形をした木製の方位磁石)と日本損害保険協会からの参加賞(方眼紙ノート)を、参加した小学生全員に渡し、集合写真(写真6)を撮影した後17時に成功裏に終了した。


写真2 富山市消防局で、119番通報体験


写真3 岩瀬の出格子(簾虫籠スムシコ)の見通しの違い(左:中から、右:外から)


写真3


写真4 富山市中心市街地を走る路面電車


写真5 北陸新幹線開通に向けて改装中のJR富山駅には、ゆるキャラがお出迎え


写真6 全員による記念撮影