《長野》特集:2017年度日本建築学会北陸支部総会・大会in長野 ■ 学生による語り合いのシンポジオン2017:学内外における学生主体の建築活動(教育・研究・実践)
AH! vol.60 - 2017/10/06《from 長野支所》
遠藤洋平/信州大学工学部建築学科 助教
野田真士/シンポジオン世話人会代表
1.概要
シンポジオンでは、学生諸君の精力的な活動について話題提供の場を設け、語り合いと自由討議により参加者全員で交流することを目的としている。シンポジオンは毎回2部構成となっており、前半は話題提供として信州大学と福井大学の学生たちによる活動プレゼンテーション、後半は会場全体での自由な語り合いと意見交換がなされた。
■日時:2017年7月9日(日)14:15~15:45
■場所:信州大学長野キャンパスC3講義棟 202室
■参加者:32名(学生20名、教員・一般12名)
■タイムテーブル
14:15-14:25 開会挨拶、趣旨説明
14:25-15:00 活動プレゼンテーション
15:00-15:30 自由討議
15:30-15:45 教員意見、閉会挨拶
2.活動プレゼンテーション
2.1 「海外留学体験の活動紹介」/廣澤美帆、土屋遼太郎、鷺坂研吾(信州大学2年生)
各自が、ドイツ、マレーシア、ベトナムに海外留学された経験を豊富なヴィジュアルスライドを用いて紹介されていた。単なる建築探訪に終始せず、その背景にある都市問題、社会的文化・思想についても言及され、後の自由討議の時間でも、活発な議論を呼んでいた。
2.2 「信州大学建築サークルKNOT!活動報告」/浅井廉、秋山由季、安田隆広(KNOT!)
KNOT!の主な活動として、学年、大学の枠を越えてともに即日設計に取り組んでいる。その中で互いに交流が生まれ、大いに設計力と表現力のスキルアップが実感できたと報告されていた。KNOT!は知識を深め、新たなヒントを探りながら少しずつ変わってきており、この勢いで今後も進んでいきたいと話されていた。
2.3 「自分らしく暮らすこととは?」/野田真士(福井大学大学院生)
ご自身が支援者として携わっている、福井県あわら市にある知的障害者施設「ハスの実の家」での利用者の日常と支援者の活動を紹介された。障害者分野に限らず、福祉全般の政策や支援に対し、これからも工学的視点をもって取り組むことは不可欠であると感じるし、そこに面白さを感じる、と述べられていた。
3.語り合い、自由討議
上記の3つの活動プレゼンテーションを踏まえ、活発な語り合いと自由討議が行われた。写真で紹介する。
4.教員意見
最後に、参加していただいた教員の方々から、アドバイスやご意見を頂戴できた。ここに記して紹介する。
・人の話を聞いて意見を述べる力を養ってほしい。学生同士の結びつきが強まるのも大事だと思う。
・異文化共有のためには、こういう雑談スタイルが非常に有効なのだと聞く。その中で、きちんと自分の意見を言うということを、これから大人になっても大事にしてほしい。
・皆さんの発表を聞いていると、誰も原稿を読んだりせず、自分の言葉できちんと伝えようとしていた。建築に対して、まっすぐな気持ちが伝わった。
・こういう活動を通して、若い学生がもっと建築に興味をもってくれればいいと思う。
・時間が限られており、全員と話すことができなかったのが残念だった。こういう交流の機会を、学生からもらえたのがよかったと思う。
5.おわりに
ご参加いただきました学生の皆さん、ならびに教員及び一般の皆さんに深く感謝申し上げます。次年度は石川支所での開催を予定しております。皆様方、次年度もよろしくお願いいたします。